スニッカーズのターメリックかけ、クルミを殻のまま添えて

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 歩き出す。ほっ、はっと汐海の声が聞こえる。見えなくてもどんなことをしているのかはわかった。幼いころの俺の姿を思い出していた。俺の足あとをからなず追ってくれることに安心感を抱いている。父親もこんな気持ちだったのだろうか。 「剛史くんはさ、ほっ、そのまま、っで、いいと、思う、っよ。あ、ちょっと」  急に立ち止まると背中にドンっとぶつかってきた。そして転びそうになっていた汐海の腕を掴んだ。 「志緒ちゃんとお義母さん、にもかな、に色々言われて、少し無理してるでしょ」 「そんなことない、はず」 「大丈夫だよ、私はちゃんとわかってるから、剛史くんのこと。だからさ、剛史くんは剛史くんのままでいてほしいな」 「俺のまま?」 「うん。それに、そのままの剛史くんでいることが、私にとっては甘えてくれてるということだから」 「えっと、……ごめん、どういう意味?」 「内緒。自分で考えろー」  テンションが妙に高かった。別にお酒を飲んでいるわけではないし、元々こんなに明るい性格でもない。俺を元気づけようとして無理にしているのだろうか、とか思ったが口には出さなかった。 「だからさ、剛史くんの分まで、私が甘えちゃうから。よろしくね」  そういって汐海は俺の手を取り、そのまま俺の足あとをなぞるようについてくる。歩きづらいけど、不器用な俺には似合っており、そんな俺に付き合ってくれる汐海はやっぱり、甘かった。  完
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