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社会人になっても、彼女の根底にある生きるということは変わらない。
今日も、朝早く家を出てから、夜遅く家に帰るまで一時も気を抜けない…と優奈は思った。
それは、今日、大切なプレゼンがあるからではない。
仕事終わりに、会社の同僚と飲み会に行くからでもない。
優奈は、5cmのヒールを履いて自分のテリトリーから踏み出す。
会社に着いてデスクを目の先に捉えると、同期の梅村佳奈が、履いてきたパンプスを脱ぎ捨てスニーカーに履き替えているところだった。
「今日のプレゼンは、優奈にかかってる」
佳奈はそう言って、ガッツポーズをすると給湯室に消えていった。
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