足跡

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彼はいつも私の数歩先にいた。 彼は私より3日早く産まれた。 幼稚園の時、 いつもかけっこは彼が1番。 私はどんなに頑張っても2番にしかなれなかった。 小学校の時、 雪の降る日は彼が先頭で下校した。 私は彼の作った足跡に自分の足を踏み入れた。 中学校の時、 クラスの中では彼は上位カーストにいた。 私は本を読むフリをして彼を密かに眺めていた。 高校の時、 お似合いの可愛い彼女ができたらしい。 私は胸を痛めながら「おめでとう」 とLINEした。 大学の時、 彼はさらに大人びていた。 私は古びた恋心を笑い話で終わらせた。
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