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町長公邸を出た時には、既に日は傾いていた。私はまたあの公園へと向かった。
公園に人気はなかった。池は、残光の中でぼんやりとしたシルエットを浮かべている。二羽の白鳥の姿だけが、いやに鮮明だった。
確かに、池の形は足あとそっくりだった。それを見て私は、かつてこの地上にそれほどまでに巨大な体を持った少年たちが存在したことを、ようやく認識することができた。
カメラで何枚か池の写真を撮ってから、私は白鳥たちに「元気でな」と声をかけて、その場を立ち去った。
私は宿へ向けて歩み始めた。何を記事に書くべきかは、既に頭の中に鮮明な形で浮かび上がっていた。
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