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『今日の夜から気温はガクッと下がり、明日は都内の多くで雪が降り積もるでしょう』
「うわぁ……」
私の口から、思わずため息が漏れる。夕飯の食器を洗っていると、点けっぱなしにしていたテレビから気象予報士の声が聞こえてきたからだ。
雪が降る。つまりとても寒いということ。
雪が降る。つまり電車が止まるということ。
雪が降る。それでも会社に行かなければならないということ。
雪の予報を聞いて、それだけの予想が一気に頭をよぎる。どうしてクソ寒い中わざわざ会社に行ってつまらない仕事をしなければならないのか。お金のためと言って仕舞えばそれまでだが、だからこそ深いため息がもう一つ漏れてしまう。
雪の日にはしゃいでいたのが、遠い昔のことに思える。
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