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ドアの鍵を閉めた途端、アキはぼくの後頭部を掴んでキスをした。
体が軋むかと思うほど強く抱きしめられて、その場に倒れそうになる。
「アキ、アキ!玄関はまずいから!!」
「⋯⋯じゃあ、玄関じゃなかったら、いい?」
思わず息を呑めば、いきなり体が離された。
アキの目が縋りつくような色を帯びる。
アキは靴を揃える時間も惜しいと言いたげに、ぼくの手を引く。
よろけるようにして、二人で狭い階段を上った。
一日中誰もいなかった家は、しんとして空気も冷たい。
ぼくの部屋の中は、窓のカーテンから漏れる外の明かりしかなかった。
いつも電気はベッドの枕元で切り替えるようにしている。
「ちょっと待って。電気とエアコンつけるから」
そう言ってスイッチを入れようとした手を掴まれて、ベッドに押し倒された。
アキは一言も口をきかない。
掴んだぼくの手にキスをして、服の胸元に手をかける。
「アキ⋯⋯まっ⋯て。さむい。寒いったら!」
胸をぐいぐい押しても、全然動かない。力のないぼくが勝てるわけがなかった。
「すぐ、あったかく、なるから⋯⋯」
アキの声が、かすれる。
長い指が、ぼくの服を次々に剥いでいく。
冷えた空気の中で、アキがぼくの肌に触れるたびに、どうしようもない熱が生まれる。
ぼくの下半身はとっくに熱く硬くなっていた。
下着がぐちゃぐちゃに濡れているのがわかって、唇をかむ。
アキの手が下着を脱がして、ぼく自身に触れた。
「んッ!あ、アキも⋯⋯脱いで」
アキは黙って、服を脱ぎ始める。
鍛えられたきれいな筋肉が見えた時、そこに触れたいと思った。
触れて、すがりついて。その先は。
最後の一枚を床に脱ぎ捨てると、アキがぼくの体に覆いかぶさってくる。
素肌と素肌が重なる感覚は、信じられないほど気持ちが良かった。
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