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おめ(お前)の花にしては随分立派でねが」 畑を見に来たじっちゃが、畝の間の通路にいた僕に声を掛けてきた。畝には幾万本もの菊が地植えされ、特有の渋みのある香りが漂っていた。 「だべ。みーんな、自慢の子どもたちだ」 誇らしく答えると、じっちゃは目尻にしわを寄せて何度も頷いた。 「んだな。つまり、俺のひ孫ってわけだ」 「そう言われると、何か似てるかもしれない」 「俺に似たら売れなくなっちまうよ」 「そいだば困るな」 二人で顔を見合せ、はっはっはと笑う。 話しながらじっちゃに手伝ってもらい、農薬散布機のタンクに付属したベルトを肩に掛けた。 「相変わらず重いな。この作業、省略できねのが」 「そりゃ無理だべな」 ホースの先端をゆっくりと動かし、農薬を茎や葉に散布していく。 土の上に深く残った足跡が、液体で満たされたタンクの重さを証明していた。 「こうして農薬を掛けないと、茎や葉がダメになっちまう。『規格外』になって棄てられるのは、この子たちにとってあまりに可哀想だ」
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