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夕食後、テレビで天気予報を見ていたじっちゃに話し掛けた。 「なぁ、じっちゃ。あのさ――」 「なした」 じっちゃは顔を僕に向けた。 「うつについて調べてたのは、おめだべ。居間のパソコンが開きっぱなしだったど」 じっちゃの指摘に、僕は面食らった。言い掛けた言葉が、喉の奥に引っ込む。 それでも、ここで引き返すわけにはいかない。 「友達のお姉さんが、仕事で上司にメンタル潰されて、休職してるんだと。今はコロナで気軽に会いに行ける環境でねぇし、東京の家まで花っこ送ってやってけれって言われてOKしたのさ。でもどんな花を送ればいいのか、分がんなくなっちまって。そもそも、自分の花でいいのかって――」 無責任に接しちゃいけないって、分がるから――。 「なぁに、自信持で」 じっちゃは爪切りとゴミ箱を引き寄せた。パチンパチンと音を立てて、床の上で足の爪を切り始めた。 「花の鼓動がどれほどの力をくれるか、おめが一番分がってるべ」
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