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4.
居間で昼飯のカップラーメンをすすっていると、じっちゃがテーブルの隣に座った。
「おめ、それだけで腹持つんだか」
「仕方ねぇべ。金も時間もないんだから」
答えながら、ずずずとスープを飲み干す。もっと食べたいけれど、今は我慢の時なのだ!
じっちゃは新聞を広げて読み始めた。
「おめみてぇなほじなし、ちゃんと頭動かねばただのばかけだべ」
苦笑いすると、じっちゃはぶっきらぼうな口調で言った。
「あのな、樹。仕事ができる奴はな、ちゃんと飯食う時間があるもんだ。なしてだが分がるが」
「仕事が楽……だから?」
「あやしか。やっぱりばかけだな」
じっちゃは新聞を閉じ、じっと僕を見つめた。
「効率的に仕事をしてるからに、決まってるべ」
「効率的に?」
僕の頭には馴染みの薄い言葉だ――いや、そんなことはない!こう見えても真面目にいろいろ考えてきた。効率の良いやり方が見つからなかっただけだ!
じっちゃは呆れたとでも言うように、眉根に谷をつくった。そして、僕の足元を指差した。
「おめ、ちゃんと、土の足跡は見でるか」
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