鷹師匠

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鷹師匠

イラスト/ひかる様 個人HP↓↓ http://sonneundmond.gonna.jp/index.html f14d1a6a-1c85-4174-824e-e54f04f8381d 「おい、引き上げるぞ!」 久しぶりに青空が広がり、上々の収穫。 獲物が捕れなかったと嘆く同僚はおらず、 順風満帆な鷹狩りに号令がかかった。 けれど号令に従って引き上げるのは、 若い相棒を引き連れた鷹匠(たかじょう)ばかり。 唯一古株を連れていた若い鷹匠は、 全く聞く耳を持たない相棒を見上げて 途方に暮れていた。 「ダメか?」 「ダメそうです」 「アイツ頭いいからなぁ」 監督として同行するお偉いさんですら、 やれやれと頭を抱えてしまう問題児。 上空を我が物顔で飛行する相棒に対し、 人間は手出し出来ないと分かってるようだ。 「どうすんの?」 「日が落ちるまで待つよ」 鷹狩りは信頼関係が重要なため、 無理強いをするのは厳禁。 今回が初めてという訳じゃないし、 声をかけてくれた同期には悪いけど、 高度からして帰る気など更々無いようだ。 ここは相棒の止り木として、 忍耐強く待つこと1時間ばかし……。 地平線に太陽が落ちる頃合いを見計らって、 手の内に戻って来た相棒はご満悦である。 「そんなに気持ち良かったのかい?」 それとも翼を持たない人間には、 理解しがたい何かがあるのだろうか? 残っていた餌を与え、 隊のお偉いさんに連絡を取り、 迎えに来てもらった頃には辺りは真っ暗だ。 「明日、また雨だってよ」 「え?」 相棒を運搬用の巣箱に納めた後、 迎えのジープに乗り込んだところで、 ハンドルを握ったお偉いさんが言った。 山の天候は変わり易い。 市内の天候を参考にしてはならない程だ。 「通りで渋る訳ですね」 「恐れ入るよ」 ======= 『絵師がみたいシーンを絵にしたら    物書きさんがSSをつけてくれる』 ひかるさんからの決め手フレーズ 「日が落ちるまで待つよ」 =======
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