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彼女が薬指にはめた指輪を月にかざして言った。
赤い月に照らされて、青いはずの石が妖しい紫色に
光っている。
「…ごめんな。
次はもっとちゃんとした宝石で作ってやるから。」
「ううん、櫂くんが私の為に作ってくれて嬉しかったよ。それに彼氏がジュエリー職人なんてかっこいいもん。」
「…本当に…美月には感謝してる。
俺頑張るから。もっと稼げるようになったら高い石で
結婚指輪作るし、工房の立ち上げ費用とか…
ちゃんと返すから。」
「…うん…」
薬指が光る手を握ろうした瞬間…
パッと彼女が顔を上げた。
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