第一夜

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第一夜

   無機質な音を響かせて、白と黒の点がランダムに踊っている。ザー、と一定の周波数で鳴る音は雨の音と似ていた。  砂嵐のテレビ画面をぼうっと見つめていると、不思議な事に映像が乱れた。 【Welcome to the world of dreams.】 「……え」  突如として、画面中央に英文が浮かび上がる。  不安に眉を寄せ、一度目を擦るが、視界の先には何の変哲もない砂嵐が延々と続いているだけだった。 「今。確かに……」  そう呟いた時、グニャリと世界が歪み、一変した。足元はフローリングの床から白砂に変わる。  ここは?  前後左右を見渡し、軽く途方に暮れた。  私は白一色の世界に立っていた。さっきまで自宅のリビングにいたはずなのに、スリッパは訳の分からない砂を踏みしめている。  足を出し、試しに歩いてみる事にした。するとどこからか誰かが歩いたであろう足跡がくっきりと浮かび上がった。  何もない真っ白な空間に唯一存在する足跡が妙に気になった。どこの誰に繋がるかも分からずにその跡を辿っていると、不意に強い光を当てられた。  なに、まぶし……。  私はまばゆい光に顔をしかめた。
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