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「協力者」
───棺桶に入る母さんと弘樹の死体は、皮膚が焼け爛れていて表情すら読めない。それがただただ悲しかった。そんな2人を前にして、俺は静かに泣いた。最近泣いてばかりだ。弘樹は泣き虫が嫌いだったから、今の俺はきっと大嫌いだろうな。
───火葬場で骨壷に骨を一つ一つ入れるたび、俺の中で少しずつ家族を失った悲しさは犯人への憎しみへと変化していく。絶対ただでは済ませたくない。法よりも先に俺がひどい目に合わせてやりたい。
しかし、頭もそんなに良くない、しかも、優柔不断な俺にそこまでのことができるのだろうか、という不安にはずっと苛まれていた。
そんなことを考えている間にも時は過ぎ、必要最低限のすることも終え、俺の学校生活は再開する───。
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