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「総司ーー」
ついに、我慢できなくなったらしい龍之助が沖田さんの方に走り出してしまった。
「ちょ、龍之助、、」
止めようとする私と龍馬の手をすり抜けて行く。
「あれ?龍之助くんじゃないですか。お花見ですか?」
龍之助に気がついた沖田さんが穏やかに話しかけるのを見つめる。
とてもじゃないけど、龍之助を追いかけて新撰組の近くに行こうなどとは思わなかった。
「うん!お母さんと龍馬と来たの!」
そう嬉しそうに言う龍之助の声が遠くから聞こえる。
藤堂が龍之助を見て自分とそっくりの顔立ちをしていると気づいてしまったらどうしよう、、
「もう充分お花見楽しんだし、そろそろ帰ろうか?」
心配そうな龍馬が横から覗き込んでくる。
「うん。早く龍之助回収しなきゃ」
「じゃあ俺が行くから奈々はちょっと待ってて」
新撰組で藤堂と偶然会ってしまったと話した時から龍馬は過保護だ。
「ありがとう。お願い。」
でもやっぱり会いたくないから龍馬にお願いして片付けを始める。
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