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藤堂平助の過去
「平助何やってんの。誰と間違えてるのか知らないけど失礼なことはやめなよ」
沖田さんがあきれたように仲介に入るけれどそれすらも藤堂は聞こえてないようだった。
「こんなにそっくりなのに?」
「ねえ、ほんとに何しに来たの」
ぱしん
頬を叩く音がして私の視界から藤堂が消えた。
いや、正確にいうと沖田さんに平手打ちされて吹っ飛んだ。
「冷静になりなよ。この人は才谷奈々さん。平助の思ってるような人じゃないよ」
吹っ飛ばされた藤堂はもう私に何も言ってくることはなかったが、私のことを睨み続けた。
「すまないね、奈々くん。藤堂君も普段はこんなんじゃないのだけど」
近藤さんに申し訳なさそうに言われて、頷く。
「沖田さん、私やっぱり帰る。土方さんも折角誘ってくれたのにごめんなさい。」
気まずい空気に耐えられなくなって沖田さんにいう。
「送っていくよ」
「ありがとう」
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