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㉝紫陽小学校・図工室
木製の作業台を囲み座る生徒達。
台の上には画板と画用紙。
黒板の前に立つ酸川と歩。
酸川「今日は皆さんに、アジサイの絵を描い
てもらいます。良い作品は絵画コンクール
に出しますので、力作を期待しています」
元気よく返事する生徒達。
㉞同・校庭
アジサイの近くに集まる生徒達。
赤や青に色づいたアジサイの花が咲いて
いる。
画板を持った真鈴。画用紙は白紙のまま。
真鈴に近づく歩。
歩 「知ってる?」
警戒した様子の真鈴。
真鈴「何をですか?」
歩 「アジサイはね、土が酸性か、アルカリ
性かで、花の色が変化するのよ」
驚いた顔の真鈴。
真鈴「リトマス紙みたい!」
歩 「そう。でもね、リトマス紙と逆の色に
なってるの」
真鈴「不思議……」
歩が、真鈴の画用紙をのぞき込む。
歩 「何描くか悩んでる?」
頷く真鈴。
歩 「じゃあ、リトマス紙でアジサイの花を
描くのはどう?」
真鈴の顔が、急に明るくなり、頷く。
× × ×
真鈴が、画用紙にアジサイをスケッチし
ていく。側で見つめる歩。
㉟同・図工室
生徒達が、画用紙に絵の具で色を付けて
いく。
真鈴はひとり、切ったリトマス紙(青)
を画用紙にのり付けしていく。
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