本文

15/23
前へ
/25ページ
次へ
㉝紫陽小学校・図工室   木製の作業台を囲み座る生徒達。   台の上には画板と画用紙。   黒板の前に立つ酸川と歩。 酸川「今日は皆さんに、アジサイの絵を描い  てもらいます。良い作品は絵画コンクール  に出しますので、力作を期待しています」   元気よく返事する生徒達。 ㉞同・校庭   アジサイの近くに集まる生徒達。   赤や青に色づいたアジサイの花が咲いて   いる。   画板を持った真鈴。画用紙は白紙のまま。   真鈴に近づく歩。 歩 「知ってる?」   警戒した様子の真鈴。 真鈴「何をですか?」 歩 「アジサイはね、土が酸性か、アルカリ  性かで、花の色が変化するのよ」   驚いた顔の真鈴。 真鈴「リトマス紙みたい!」 歩 「そう。でもね、リトマス紙と逆の色に  なってるの」 真鈴「不思議……」   歩が、真鈴の画用紙をのぞき込む。 歩 「何描くか悩んでる?」   頷く真鈴。 歩 「じゃあ、リトマス紙でアジサイの花を  描くのはどう?」   真鈴の顔が、急に明るくなり、頷く。   ×  ×  ×   真鈴が、画用紙にアジサイをスケッチし   ていく。側で見つめる歩。 ㉟同・図工室   生徒達が、画用紙に絵の具で色を付けて   いく。   真鈴はひとり、切ったリトマス紙(青)   を画用紙にのり付けしていく。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加