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作業台に、リトマス紙(青)を貼った真
鈴のアジサイの絵。
側に『酢酸』と書かれたスプレー容器。
真剣な眼差しで絵を見つめる真鈴。
生徒達が真鈴の後ろで見ている。
真鈴、スプレーを手に取り、噴霧する。
と、アジサイの花の絵の一部が赤色に変
化する。
T・『酢酸 酸性』
驚いている生徒達。
歩が、真鈴の後ろ姿を嬉しそうに見てい
る。
㊱紫陽小学校・教室
社会の授業。黒板に『裁判所の仕組み』
が板書されている。
教壇に立つ酸川。
酸川「授業はここまでです。が、少しやって
みたいことがあります。昨日、皆さんにア
ジサイの絵を描いてもらいましたね」
酸川が真鈴を見つめる。
酸川「先生達の間では、桐戸さんの絵のアイ
デアが面白く、コンクールに出そうと考え
ています」
真鈴が、驚いた表情で見つめている。
酸川「ですが、リトマス紙を貼った作品が絵
として相応しいのか、という意見もありま
した。そこで」
酸川が投票箱と書かれた金属の箱を台の
上に置く。
酸川「最後は皆さんの投票で決めたいと思い
ます」
酸川、青色と白色の二枚のカードを見せ
る。
酸川「桐戸さんの作品をコンクールに出すこ
とに賛成の人は青票を、反対の人は白票を
投じてください。過半数の賛成があれば、
コンクールに出します。投票の仕方は、先
日の授業で習いましたよね。(歩を呼び)
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