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⋯⋯こちらS。只今より高等部入学式進行中のアリーナへ潜入する、どうぞ。⋯⋯っおい、応答しろ！城之◯！城◯内ー！！！お願い、死なないで◯之内！あんたが今ここで倒れたら、俺の潜入ミッションはどうなっちゃうの？時間はまだ残ってる。ここを耐えれば、委員長に勝てるんだから！
次回、「◯◯◯死す」。デュエルスタンバイ！
「⋯⋯何してんだ？柊」
「っひ⋯⋯！？」
扉の隙間からアリーナの中を覗いて様子を確認しつつ次回予告をしていたら、真横から声が。まずい！潜入捜査は極秘なのに！しかもこの声は⋯⋯
「じょ、城之内先生⋯⋯！（小声）」
「仁って呼べっていつも言ってるよなぁ、つかお前その格好どうした？猫耳は可愛いから良いが、そんなに着崩してたら危ねぇだろ」
「や、これは猫耳じゃなくてただの寝癖です！寝坊したので若干着崩れてますけど別にここまで転ばなかったし無事ですから」
◯之内城◯内言ってたらホントに城之内出てきちゃったよ⋯⋯！ていうか着崩し具合ならお前もそんな大差ないだろ！
城之内仁先生。俺が1年の時の担任。多分今年度も担任。一言で説明すると、ホスト。彼はホストだ。今世では間違えて教職に就いてしまったのかもしれないが、パラレルワールドとか覗いたら多分全部ホスト。
金色に輝く髪に、茶色の瞳。残念ながら顎は出てないただの高身長（許さん）イケメン。胸元が大きく開いた黒いワイシャツに同じく黒いジャケットを羽織ったスーツ姿には、顔面補正なのか単に着こなしが上手いのか、「おま、どこのホストだよwww」みたいなダサさや痛さは無い。耳や手首のシルバーアクセも素材の良さを引き立たせるアクセントになっている。
つまりただのイケメンホストなのだ。イケメンは総じて敵。名前呼びとかなんかフラグっぽいけど決して（フラグでは）ないです。チワワとイチャイチャしてろ下さい。
「いや俺が言った危ないってのはそういう意味じゃなくてだn『『『キャアアアアアア！！！』』』⋯⋯ア？生徒会連中の出番か、って柊！？」
城之内先生の言葉を最後まで聞かないままBダッシュ。まだ見ぬ王道転校生とは別ベクトルで不審者ルックの俺が誰にも見られずに舞台袖まで行くには生徒会に全員の注目が向いている今しかない！
⋯⋯と思ったら座っている1人の男子生徒と目が合ったので思わず立ち止まる。バレるの早いよ早杉君。早杉君（命名:俺）はこちらをじっと見つめている。真顔で。生徒会見なくて良いの？いや早杉君も生徒会に入れそうな綺麗な茶髪のイケメンですけれども。見つめられたら睨み返すのが男ってモンなので（知らないけど）目を逸らさずにいたけど、これ以上は時間的にマズい。退散。きょっ、今日はこの辺にしといてやるよ⋯⋯！こ、怖くなんてないんだからねっ⋯⋯！
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