かくて、ホシオは連れら去られた…

1/1
前へ
/7ページ
次へ

かくて、ホシオは連れら去られた…

何人も想像だにできなかった超現象は起きた。 電波という光分子は満杯状態で、衝突を避ける超現象を一瞬で生み出し、”そこ”への退路は即、雪崩を打って入り込んでゆく。 上流から下流への流れは滝のごとし、即興でその誕生を遂げたデンパ・ナイアガラは、地球の大気空間における表面を覆っていたハッシャ祭りで放出された電波を吸い込むようにフルジャック。 結果、その吸引力が地球内部を形成するコアを刺激、地球上から引力をはく奪した。 ニンゲンはあっという間に窒息死、約数か月で碧き生命に満ち溢れていた地球上からは昆虫の形を成さないムシを除く動物と一部の植物が死滅する。 💀💀💀 ただし…、その間、もう一つのドラスティック極まる超現象も起こった。 地球表面をはぎ取るかのような異空間へのシフトの最中、空気中でニンゲンへの寄生を待つ新新型ウィルス、ゴロナの一部がその防衛本能から呑まれる直前に異空間への同化反応を成し遂げたのだ! 言わば神がかり的な、瞬間突然変異の能動作用で、この不屈の生命力を在したゴロナは、遺伝子情報を瞬間解析し、宿主の浮遊意識に乗っかるのだ。 そののち、共に異空間を経由し、宇宙軌道にニンゲンの意識を道連れにして共に紛れ込んだ…。 💀💀💀 ”ホシオ…、わかる?” ”ああ、メリッサか?” ”そういうナマエだったかも。ワタシたち、イッショよ” ”助かったのか?何も見えないし、ここはドコだ?” ”宇宙軌道よ。愚かなニンゲンは地球を自らの手で死滅させたわ。多分、意識レベルでもすり抜けられたのはワタシとアナタだけよ” ”…メリッサ。ここからどうなるんだ、二人は…” ”意識が決めるわ。どうやら意識の執着はワタシのほうが強いみたいだから、ワタシが誘導する。どこか遠い空間に着いたら、起こすわね。それまで眠ってて。オヤスミ、ホシオ…” ”アリガトウ…、メリッサ、愛してる…” メリッサと呼ばれた、ゴロナちゃんはニヤリと妖しい笑みを漏らし、ウインクした。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加