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もう止まらない
ソレはもう、誰にも留めること、止めることが不能だった。
それは世界中の、ほぼ大多数の人々が”だろうね…”という最終的風潮を招き入れ、そこんとこを許容した。
ここのところが、まずは前提を敷く。
そしてとどのつまりは、とことんやってきた。
今を生きる人類が大した自覚もなく創造しきっていた、必然というレールを突っ走って…。
☠☠☠
時はついにこの夜を迎えていた。
日本時間の20✖✖年8月31日…、要するに、国籍や居住地や宗教も、無論、性別・世代も全然な、地球上のあっちこっちに”彼ら”は、結構あっさりとこの日をセレクトし、決行のカウントダウンは直前となった。
その”彼ら”の中には当然、我が日本人も”ん百万人”が参画していた。
で…、東京郊外に住む24歳の澄川ホシオもその一人であった。
☠☠☠
”さあ、セットオン、完了したぞ!あとはカウントダウンに乗り遅れないように、マイバズーカ照射だ。ああ、もう一回トイレ行ってくるか…”
アユオは木造三階建て最上階の自から2階のトイレへ小走りしていった。即興の口笛を吹きながら…」。
彼はすでに、生まれてこの方経験したことのない高鳴り感でテンバってはいたが、一方で妙なほどリラックスし、肩の力は取り払われていたのだ。
然もあらん…、ホシオだけでなく、この夜の超ド級スペシャルイベントに結集した全フリークスは、この日のこの状況を当然のなりゆきがもたらした到達地点と捉えていたのだから。
☠☠☠
日本時間PM11時過ぎ…。
ホシオは間もなく始まるカウントダウンに万事、準備は整っていたが、再度最終チェックを終えると、フローリング張り洋室7帖の部屋をぐるりと見まわした。
決して狭くないホシオルームも、この夜は足の踏み場がないほどの”装備機器類”が床を埋めていた。
デスクに収まりきらないパソコンやディスプレイ等の通信機器が、まさに寿司詰めの体を成していたのだ。
”よし!各媒体の受送信はセットできてるし、あとはカウントダウンに合わせてオン処理するだけだ。さあ…、いよいよだ。果たして何が起こるのか…”
そうであった…。
この夜遂行される、全世界同時で多角挙行されるオンライン・ハッシャ祭りで、天文学的な数値に及ぶ通信波の相互作用がどんな影響をもたらすか…。
このイベントに加わる数十億のネットユーザー、その誰一人も見通せないかった。
だからこそ、このわくわく感だった…、となる。
だが一方では、世界中のネットユーザーによって実現することとなった回路支配を目的としたこの一斉通信祭りは、世界中の注目を浴びる事態を招き、それこそ賛否両論が沸騰したという経緯があったのだ。
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