泡沫の夢

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「ご報告に上がりました」 ペコリ。 綺麗なお辞儀をしたかと思ったら、今度はすっと無表情の冷たい表情に変わる。 何も言い返せない、そんな雰囲気。 思わず聞き耳を立てる。 「貴女はあと1ヵ月の命となります」 淡々ととんでもないことを告げられたわたしはぽかん。 「…えっと?わたし死ぬんですか?」 「そうです」 「何故ですか?」 「そういう決まりだからです」 脈絡のない話に頭が追いつかない。 待って、待って。 死ぬことは確定なの? なんでこの人がそんなこと言ってくるの…? ぐるぐるまわって一周して思いついたように弾けて聞いてみた。 「…あなたは誰ですか?」 人の部屋でぬくぬくと居座る謎の生物めがけて。
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