泡沫の夢

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ゲームのルールは至って簡単。 自分のキャラクターを選択して、次々に出てくる試練に挑戦する。 ジャンプしたり、ボタンを操作したりして点数を競うらしい。 運動神経やリズム感を問われるみたいでわたしもユリカも不安になって見つめ合う。ステージごとにクリア条件でボーナスポイントが貰えるものもあるらしくて、詳しい志波くんは"勝負あったな"なんて大胆な発言で脅しにかかる。 だけど、霧矢くんは冷静で志波くんの挑発には乗らずに涼しい顔をしてる。 「余所見してる暇ないと思うけど?」 慣れた手つきでさっさとキャラクターを選び終えていた二人がタイトル画面を迎えた次に、パッと目線が切り替わって飛んだカメラがぐっと近くなる。 …【Ready Fight!】 コールが鳴って、キャラクターが威勢よく飛び跳ねた。 うわぁ!すごい、二人とも軽やかに交わしてる。 一回目のステージは障害物競争みたいで、地面に落ちてる物に当たらずにジャンプして避けることが多い。さらにキラキラしたクリスタルに触れるとキャラクターの走るスピードが急激に増して加速する。 「…え?これ、どっちが勝ってるの?」 堪らずユリカが聞き、わたしも首を傾げる。二人とも同じくらいすごくて接戦に思える。
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