183人が本棚に入れています
本棚に追加
『次の出張決まったよ。どこ、泊まろうかな』
そんな意味深で惚けるような諒の台詞に。
「うちに泊まる?」
ドキドキしながら彼を誘う。
『いいの? 冬優』
覚悟は決まってる?
そう問いた気なテレビ電話の向こうの諒。
勇気を出してコクンと大きく頷いたら。
『冬優?』
「ん?」
『真っ赤になってて可愛い』
クスクスと楽しそうに笑った彼に舌を出してしかめ面をした。
私をからかう、その余裕が悔しい。
『怒らないで? でもその顔も好き』
「もうっ!!」
そうして初夏、初めて諒が私の家を訪れた。
最初のコメントを投稿しよう!