ハニーアップルパンチと友情

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ハニーアップルパンチと友情

ほっぺにできるニキビはたちが悪いと思う。 単純に目立つし、髪の毛があたって悪化もしやすい。その上、マスクをしない限り毎日人に見られてしまう。 「最悪なんだけど……」 潰そうとすると、『潰すと更に悪化するし、跡も残る』となにかで聞いたのを思い出し急いで軟膏を探す。 だけどこういうときに限って切らしてしまってる。 「最悪すぎるんですけど……」 私の毎朝のルーティーンの一つに鏡を見ながら肌の手入れと髪の毛の手入れをして、毎日完璧なという行為がある。 こうでもしないと、高校ではただのモブキャラとして沈んでしまう。 「おかーさん、ニキビ用の軟膏ってないー?」 「そこの戸棚に無いなら、切らしてると思うわよ。というか咲希、若いうちからそんなに化粧をするからニキビができやすくなるのよ。」 若干の呆れ口調で返事が帰ってきた。 確かに、『若いうちから化粧をするとニキビができやすくなる』というのもどこかで聞いたことがある。 「それでも、こうしなきゃグループにはいられないのよ。」 鏡の前で、素の私と向き合いながら独りごちる。 軽くBBクリームを塗りファンデーションをする。そのあと、ニキビの上にもう一度BBクリームを塗りコンシーラーと綿棒で更に隠す。最後に、アイライナーとマスカラで目の周りを作れば、いつもの自分が完成。 「うん、今日の私も完璧!」 完璧な私で、今日も家を出る。これが私の毎朝のルーティーンだ。
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