|美神教《カリテス》の大天使につき!

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「さて、今月の奇跡は十分でしょう。また来月の奇跡のために力を蓄えなくては。」 「お疲れ様でした、司教様。今回も見事な奇跡でしたね。」 女性を正面の扉から見送ると、司教はシスターたちを伴って自室へと向かう。 「全ては彼女の祈りの強さのお陰ですよ。私は少し、お手伝いしたに過ぎません。それでは、私は自室に戻ります。あなた達も、ゆっくりと休みなさい。」 「・・・はい、司教様。」 自室に戻ると告げられ、明らかに落ち込んだ様子のシスターたちはキョロキョロと周りを見渡すと一歩前に出る。 何やら顔が赤く見えるのは気のせいではない。 「し、司教様?お疲れではありませんか?宜しければ、その・・・私たちに“マッサージ”をさせていただけませんか?」 「いえ、大丈夫ですよ?今日は特に強い奇跡は起こしていませんから、一晩休めば、どうということはありません。」 「そ、そうですか・・・。」 「・・・ふふ。どうしたんです?皆さん、顔が赤く息が荒いようですが?早くお部屋に戻って休まれた方がいいのではないですか?」 「うぅ・・・!司教様ぁ、意地悪しないでください。」 「ふふ!女神様の代理人である私は意地悪などしませんよ?それとも、私の“説教”がお望みですか?」 「あ、あぁ!はい!是非、お願いします!」 “説教”と聞いて、シスターたちはその身を震わせると、荒い息で興奮気味に何度も頷いた・・・。 「何とも、まぁ、敬虔な信者ですね、あなた方は・・・!ふふ・・・!いいでしょう、部屋へ入りなさい。順番に・・・“説教”を行いましょう。」 「ありがとうございます!司教様ぁ!」 部屋へと誘う司教に続いて、シスターたちは嬉しさと火照りに顔を綻ばせながら部屋へと入っていった。 それからしばらく、司教の部屋からは艶やかな女性の声と共に家具の軋む音が響いていた。
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