365日後の僕ら

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「新年、とうとう明けちゃったね」  “明けちゃった”という言い方が、いかにも彼女らしくて、僕は、おもわず頬を綻ばせる。「そうだね」 「ねぇ、どうせなら――今年の目標決めない?」 「目標?」と、僕は聞き返す。 「そう。せっかくだしさ」 「う~ん」僕は唸った。 「そんな、急に言われても思いつかないなぁ。そっちは?」  すると、彼女は黙った。 「……どうしたの?」と、声をかける。  彼女が、僕の名前を呼んだ。 「……何?」 「約束、して」 「何を?」 「――死なないことを」  僕は、スマホを握り直した。しばらくの間、なんと答えていいのか分からず、今度は僕が無言になった。
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