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雪がしんしんと降っている。 僕以外誰もいない道。 空気が冷たく澄んで、鼻の奥がツンと痛くてマフラーに顔をうずめた。 辺りはしんと静まり返っていて、雪を踏んで進む足音だけが嫌に耳をつく。 世界には僕だけしか存在してないのかもしれない、なんて少し笑った。 ふと立ち止まり振り返った。 足跡が1つ僕を追いかけてきていた。 ついてくんなよ、と呟いた。   降り続く雪がそれを早く消してしまえばいい 、なんて。 僕はまた歩き始めた。
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