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アイスティーは透き通った朱色をしていて、とてもキレイだった。
何だか花や果実を思わせるような爽やかな風味が口の中に広がった。
チーズケーキは細長い形でミントの葉っぱが乗っていて、可愛かった。
ほのかな甘みが好きな味は手作りだそうだ。
わたしがはじめて出会った、紅茶とケーキでした。
つい楽しく食べていた。
わたしの頬は知らぬ間に上がっていて、
笑顔になっていると気づいたのは
彼女の問いかけだったのです。
「ふふ。笑顔が可愛らしいですね」
そう言われると、逆に緊張してしまう。
お姉さんの視線がまだ私を見ているのに
気づきました。
すると、彼女は人差し指を立てて問いかけてきたのです。
つい細い指先を見てしまった。
「あなたは猫が好きなのですね」
わたしは答えに詰まってしまった……。
彼女は少しほほ笑んだままわたしの答えを待っている。
うーん……。
「わたしって髪の毛がこんなに明るい茶色で……。
日差しだと金色に見えちゃうんだ。
猫ちゃんの色と似てるなって思って」
先ほど街角で見た猫の柄に共感を持ったので、つい追いかけてみたくなったわけだ。
なんて話をしているのだろう、
こんな脈絡のない話を。
次いで、彼女の中指が立って次の質問がきた。
「髪の毛は染めている訳じゃないのです?
怒られないの?」
わたしは慌てて首を振った。
「いいえ、もともとこんな色なんです……」
「素敵じゃないですか、
そんな色自然には出ませんよ」
羨ましい限りです、彼女は両手を叩いて褒めてくれた。
それから、この猫が野良猫であると教えてくれた。
いつの間にか居着いてしまったのだそうです。
なんか親近感がわくなあ。
・・・
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