3

4/4
前へ
/193ページ
次へ
そのあとも夕方になるまで、たくさんの色んな話をした。 まるで、窓から差し込む西日が 時間を気づかせてくれたような気がした。 それほどまでに話に夢中になっていたんだ。 喫茶店のお姉さんは、 わたしの話を一つひとつ頷いてくれる、 気さくな人だなって思った。 ただ、趣味は? という質問には上手く答えられなかった……。 さあ、家に帰らないと。 立ち上がるわたしに彼女が声をかけてくれた。 「白いツツジの花言葉って知ってるかしら? たしか……」 お店を後にした。 とても素敵な時間だったな、また行こう。 ふと、昔使っていたミシンはどこに閉まったっけなんて考えた。 そして、この間公園で話した、 君のことを思い出す。 ツツジの花言葉 -初恋- の意味は わたしにもいつか分かるかな……。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加