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(僕side)
4月最後の祝日、みどりの日
僕は写真を撮りに行くことにした。
今日は朝からきれいに晴れていて、
空に雲が少しだけ浮かんでいる。
少しだけ暑さを感じるような気候だった。
コンビニでお茶を買って外に出る。
すると、太陽の光に合わせて長く伸びる自分の影がくっきりして面白かった。
・・・
街角を歩く自分と、すれ違う人々。
歩いているところは住宅街で、
ほとんど物音がしない静かな空間だった。
彼らは何を楽しみにしているのか、
そしてこれから何が起こるのだろうか
その瞬間を写してみても面白いのかもしれない。
幼稚園の少し錆びたブランコ。
静かに咲いている藤の花。
<ご自由にお持ちください>と書かれたおもちゃたち。
こんな感じで、注目されないけれど静かに佇んでいる。
しばらく歩いていると、大きな神社があるのに気づいた。
鳥居の脇には大きな桜の木が立っている。
自然の畏怖というものだろうか、美しさと
同時に寂しさを覚えずにはいられなかった。
だって、もうシーズンが終わっていて葉桜なのだから、この木も注目されないのだろうか。
桜の木と鳥居が写るようにカメラのシャッターを押した。
・・・
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