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前の方に視線を戻すと、 こちらを見ている猫に気づきました。 交差点の十字路でごろんと横になっている。 … …… ……逃げられた! 猫ちゃんはこっちをにらんだような表情を見せたかと思いきや、 脱兎のように飛んで行ってしまいました。 わたしは十字路まで駆けていった。 ここを曲がったのは覚えてるけど、 どこに行ったのだろうか。 左の方に目を向けた瞬間、塀の上を歩くしっぽが見えた。 猫を追いかけて歩いてみた。 わたしは猫ちゃんと並んで歩きながら 問いかけてみる。 「どこへ行くの?」 猫は不機嫌そうな返事をしたと思ったら、 急に飛び降りて近くの家に走ってしまった。 わたしはその場に立ち止まる……。 その家は可愛らしい喫茶店だった。
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