男の子のくだらないところ一

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 大陸と私は同じクラスだが、直人と隼人は違う。大陸はいつもと変わらずに眠たそうにノートをとっている。鈍い大陸のことだ。直人の変化に気付いていないのかも知れない。 「ねみーー」  大陸は授業のあとには必ずそう呟いている。それに反応するのも癪なので私は相手にはしない。そんなものだから、あんまりクラスでの会話はないのだ。大陸もそうだが、直人も隼人もそこそこ顔が整っているせいか、昼休みや放課後に彼らと一緒にいる私には、それなりのやっかみが振りかかっている。私自身、気にはしていないが余計な心配などはさせたくはないから。  昼休みになり、私たちは食堂に向かう。基本的に学食が私たちのお昼だ。いつの間にか、みんなで同じものを食べるのがルーティンになっている。中学で終わった給食を食べているみたいで私は結構ワクワクしている。何を食べるかはじゃんけん勝負で勝った人が決めるのも私たちのルーティンだ。 「よっしゃ! カツ丼!」  今日は大陸の勝利。大陸は毎回、肉ばかりだ。 「直人! カツ丼食って根性入れろよ!次こそ入選だぜ!」 「ああ……」  大陸の激励にも直人は覇気のない返事をする。 「もう! 引きずり過ぎだよ!」  私もたまらずに声をあげる。 「ごめんな……」  直人は小さく呟いて食券を買いに向かった。隼人は特に口出しもせずにクールに直人の背中を追う。  大陸も直人も隼人も性格はバラバラではあるけど、何とはなしにいつも一緒にいる。腐れ縁というやつだろう。  私が意地になって、かくれんぼで隠れ続けた日から私と三人はいつも一緒だ。幸せなときも辛いときもそうだった。だからなのか落ち込む直人を見ているのは辛い。何とか元気づけてはあげたいけど……。  みんなで並んでカツ丼に箸をつける。男の子に付き合っているせいか、私の食べる量もいつしか増えている。私だって年頃の女の子なんだから体重は気になるから、二日に一度は夜中にランニングしている。三人には内緒だが。三人とも結構食べるくせにスリムなのは腹立たしいことこの上ない。
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