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男の子のくだらないところ二十七
梅雨が明けたら夏本番。もうすぐでテストもあるけど、夏を楽しむのも大切なことだ。この時季になると大陸がどこからか花火を大量に持ってきて、みんなで花火をするのだ。夜に近くの公園にバケツとチャッカマンを持って集合。夜に集まるときは二十一時までに帰る約束だが、それまであれば十分。親が厳しい訳ではなく、それはみんなで決めたことだ。余計な心配をかけたくないのは、みんな同じなのだ。
まずは全員手持ち花火から始める。花火はパチパチと音を立てて火花を散らす。公園のあちらこちらで他に花火をしている人もいる。
「花火やるには明るすぎるねぇ」
大陸がケラケラと笑う。公園はしっかりとライトアップされているから、そこまで暗くはない。ただ花火をやれる場所ってそうそうないんだよ。みんなの家も庭がある訳ではないから。
「ロケット花火は危ないからやめような」
直人の言うとおり人のいるところでロケット花火は危険だ。わざわざ危険なことを選ばないあんたらはやっぱりいい子たちだよ。
「やっぱりネズミ花火はやんないと!」
隼人は次の花火に手をつける。男の子ってネズミ花火好きだよな。私は動きが激しすぎて、あんまり好きじゃないけど。
「俺はこれ!」
大陸は、ヘビ花火に手を伸ばす。一番気持ち悪いやつじゃないか……。男の子ってなんでそういうの好きなの?
直人は黙々と手持ち花火を消化している。
「なぁなぁ直人、隼人、花火の写真とか表紙によくない?」
「いいなそれ」
大陸の提案に直人が頷き、隼人も頷く。
「て訳で結がモデルな」
「顔はやめろよ!」
「大丈夫。手だけ撮るから」
大陸が提案して直人が推してくる。直人と隼人は、花火を持つ私の手先をスマホのカメラでパシャパシャと撮る。隼人は写真を表紙にすると言っていたが、直人はイラストって言ってなかったか?
その横で大陸は一人で花火を楽しんでいる。提案したやつが素知らぬ顔するなよ。
いくつか写真を撮って直人も隼人も満足したようだ。
「今回は指入ってないから使えるな!」
次回がないとは限らないのがあんたたちだけどな。
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