男の子のくだらないところ三十ニ

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 直人が呟いた。うちの両親は怖くはない。ただ私が気にするのだ。お父さんもお母さんもちょっと変わっているけど優しいから。そのへんはこいつらも分かっている。 「じゃあしゅっぱーーつ!」  大陸が号令をかける。帰宅準備を整えて、私たちは喫茶店へと向かう。下校途中の学校はあちこちでテストの話題をしている。テストとかで将来が決まるかも知んない可能性は私は好きではないけど、やらなくていいとも思わない。勉強より大事なことはあるけど、勉強が大事じゃない訳でもない。ただ、学校で勉強だけしていてもやりたいことにはぶつからないのだ。  喫茶店について男連中はアイスコーヒーを頼んだが、私はオレンジジュースを頼む。そのあと、教科書とテストの問題用紙を開いて勉強会。  といっても、黙々やるのつまらないからクイズ形式でお互いに問題を出し合う。これだと結構時間を忘れる。 「また間違えたーー!」  大陸が頭を抱える。 「中学で習ったろ?」 「直人、卑怯だ! 今回のテストの問題出せよ!」 「いや。復習しろよ。中学のやつくらい」  直人の言うことは最もだが、テストの関係ないとこ出すのはちょっと卑怯かな?  そんなことを思っている私の横で隼人は私の答案用紙をまじまじ見ている。 「選択問題の間違い多いな? 何か心配事でもあったか?」 「うん……。私は将来何をやればいいのかって最近悩みがちでさ……」 「気になるか?」 「うん……」 「好きなことをやればいいんだよ!」  能天気な大陸。それが分からないんだよ。 「結は結構何でもできるのにな」  直人、それって関係ないかも知んない。何でもそこそこってことは一番が分からないんだよ。 「まぁそろそろ探してもいいかもな。結の選ぶことなら俺らは応援するよ」 「隼人、ありがと」 「じゃあさ、勝負しようよ! 結がやりたいことを見つけるのが先か、直人と隼人がまた小説で受賞するのが先か俺がテストで一番を取れるのが先か!」  大陸は楽しそうに提案する。 「大陸には勝てるかな?」 「そうだな」  直人も隼人はそこは間違いなく自信があるらしい。 「酷くない!?」 「いや全然」  直人、それ結構酷い。 「でもまぁ誰が先に目標達成できるか勝負っていいかもね。結はあんまり勝負に持ち込まないだろ? たまにむきになってみてもいいんじゃない?」 「ん〜。直人の言うことは分かるけどさ、私にできるかなぁ?」 「はじめからそれはないない! はい勝負決定!」  大陸に強引に押し切られた。まぁいいか。勝負でもしなければ、私もやる気を出さないかも知れない。
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