手首

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手首

手首を切るかわりに 書いている そんな時もありました 慟哭のかわりに 嗚咽のかわりに 書くことで 怒りと恨みを 心の奥底に閉じ込める それが 私の生き方でした でも それでは 幸福になれないんです 心という深海の奥底に 燃えたぎる憎しみと怒りを 溜め込んだままでは それに気がつくのに 永い時間がかかりました 人生100年時代と呼ばれる昨今の 例えで言えば 折り返し地点という年齢になって はじめて 理解したのです ここからが やっと 私の「生きる」時間 なのだと思います ハイハイをするところから 始めてみたいと思います
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