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散り急ぐ
散り急ぐチャンスを逃してしまった
胎内に子を宿したことから
私の人生すごろくは
私の書いたマス目をはみ出して
サイコロが転がっていくようになった
若気の至りで
人生は
強く望めば
思い描いた通りになるものだと信じていた
私に
人生は
驚きと失敗と後悔と
それを上回る喜びと愛と幸福に
満ちていると
教えてくれてたのは
愛しい3人の子供たち
すごろくのマス目は
サイコロを転がした後にできるもの
それが
人生だということ
子育てで七転八倒しながら
覚えた
末娘は本当に甘えっ子で
ママは私が死ぬまで死んじゃダメなの
と言い張るけれど
もう20歳
私も歳をとった
私の書いた人生すごろくでは
私はとっくに天に召されてる予定であった
ところが今や
1世紀越えで生きてくれと言われて
嬉しいやら
困るやら
私が20歳の頃、
私の生活は砂色だったけれど
頬はバラ色だった
今の私は
頬にシミが浮かんでいるけれど
生活には歌と喜びがある
青空を美しいと思い
春の陽射しを愛しいと思い
我が子に囲まれて過ごすひとときが
金にも銀にもまさる宝物だ
散り急がずに
生きていて良かった
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