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ついさっきまで居たはずの貴方の姿がとつぜん消えた。
だだっ広い公園の入り口のポールに身体を擦り付けていたら、いつの間にか貴方の姿が
見えなくなった。
どこに行ったの?
慌てて振り返るも貴方の姿はない。
いつもの時間、いつもの場所で会うのを楽しみにしていたのに。
珍しく降り積もった雪のなかに、貴方の足跡をみつけた。
点々と続く足跡をたどると…
「なんだ、ついてきたのか。すぐ戻るつもりだったのに…」
そうしてにっこりと微笑んだ貴方は優しい手で私の体を撫でてくれた。
「行ってきますー!」
あの頃はランドセルだった貴方もいまは、すっかり大きくなった。
そんな貴方の背中を見ながら、丸まって横になる。
ポカポカなストーブが心地いい。
これは私が貴方に拾われる前の小さなちいさなお話。
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