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「ん、ぁ、なんで、こんなこと……っ」
胸の尖りをきゅっと摘ままれて、ジンジンとしたむず痒さのようなものが全身に広がり、身を捩る。
――私は禅さんのことなんか全然好きじゃないのに。そもそも好きって何なのか分からないし、こんなこと、怖いだけなのに。どうして? とてもドキドキする。
「惚れた女を歓ばせたいと思うのは男の本能だ」
「歓んでなんか……ぁっ、ん」
腰を両手で掴まれて、くるりと向き合うように、胡座をかいた彼の足の上に乗せられ、胸の突起を口に含まれた。その微かな刺激に声が漏れる。
「こんな状態で否定なんてして、身体は正直だな、とでも言われたいのか?」
唇を離し、器用に片眉だけを上げて、禅さんが余裕そうに言った。私だけ、こんな風になっているのは恥ずかしい。しかも、胸だけで。
どうにかして、彼に対抗したい。そう思ったときには大分逆上せていたのかもしれない。
「お前……」
意を決して私が禅さんの下半身に手を伸ばしたものだから、彼はとても驚いていた。してやったり、と思ったけれど、軽く握ったそれがとても大きくて、硬くて、怖じ気付き、手を離そうとした。
「俺がどれだけ我慢しているか分かっていないのか?」
獲物を狩るような鋭い視線に射止められて、動けなくなった。
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