攻防戦は女湯で巻き起こる

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「覚悟しろよ?」 「禅さ、禅さん!?」  私が悪かったから、と言ってももう遅いのだろう。檜の縁に背中が乗るように身体を押し倒されて、必然的に足が上に上がる形になった。慌てて、足を閉じようとしたけれど、間に禅さんが身体を割り込ませたため、それは叶わなかった。 「見ないでください!」  かろうじて自由だった両手で、必死に自分の秘部を隠す。しかし、その手も一瞬で禅さんに拘束され、露わにされてしまった。 「あっ、んっ!」  彼の力に私が勝てるわけがない。私の足の間に入り込んだ禅さんが身を屈めて、敏感な部分に舌を這わせてきた。耳を塞ぎたいほどの水音が聞こえて、絶対にわざとやっていると思った。  自分でも触れたことのない場所に禅さんが舌を這わせている。羞恥で死んでしまいそうだ。 「ぁ、んぁっ」  必死に声を押さえるけれど、チリチリとするような刺激に自分のものとは思えない嬌声が漏れ、自然と腰が揺れてしまう。こんな感覚は初めてで背筋がゾクゾクした。 「禅さ、ぁ」  やめてほしい、と懇願するように禅さんの方を見れば、止める気など一切無い瞳と視線が合致した。それどころか私の反応を確認して、楽しんでいるようにも見える。  これ以上目を合わせるのも恥ずかしくて、思い切って目を閉じたら、もっと、禅さんの舌の動きに敏感になってしまった。 「はぅ、あ、あっ」 ピチャピチャという下品な音と共に快感を与えられ、下腹部の辺りに波として集まっていく。 「あ、ダメ! ダメっ……!」  呼吸が荒くなり、ドクンドクンと自分の心臓の音がうるさくなって、最後にはビクンビクンと足が痙攣していた。快感が爆発したあと、それがじわりじわりと全身に広がっていき、怠さを残す。 「なんだ、ちゃんとイけるんじゃないか」  ふっと笑う禅さんが、まだ微かに痙攣している私の足の間からこちらを見ている。屈んだ彼の背中に大きな赤い龍が見えた。 「禅さんなんか嫌いです。禅さんなんか……」  ぼんやりとする頭で文句を繰り返そうとしたら、急に視界がぐるりと回って、気持ち悪くなって、私は――。
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