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「嫌です! あなたを好きになってくれる人なんて、たくさん居るでしょう?」
たくさん、たくさん居るはずだ。私より、もっと綺麗で可愛くて、胸も大きくて、俺様なあなたの言うことをすべて聞いてくれるような、そんな女性が。
「ああ、居るな」
ほら! ほら、居るんじゃないですか!
ブラの肩紐を腕の方にズラされながら必死に次の言葉を探す。
「なら……」
「要らない。あんな奴らは要らない」
私の言葉を遮りながら、あなたはなんてことを言うのか。あんな奴ら、というのが少し引っ掛かるけれど、世の女性を敵に回し過ぎでしょう?
「お前は……」
「ん?」
彼の様子が少し変な気がした。私の首筋に顔を埋めて……
「お前は俺を好きに、なる……な……」
そんな言葉を残して、動かなくなってしまった。
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