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なんだか空気がフワフワしている。軽く白い靄の掛かったような視界の端では天井から吊された星のモビールが揺れていた。
「都築ちゃん、怖いから一緒に寝よう?」
自分より小さい子たちが私の周りに枕を持って集まってきて、私はすぐに過去を夢で見ているんだな、と気が付いた。
高校を卒業する八年前まで私は孤児院で暮らしていた。物心がつく前に預けられて、母親の顔も父親の顔も知らない。どんな人だったのかも勿論知らない。とっくの昔に亡くなってしまっていることだけは知っている。
「都築ちゃん、あったかいね」
布団に寝転がっている私の横にくっ付いて、五歳の真子ちゃんが言った。反対側の隣では、もう六歳の綾ちゃんが眠ってしまっている。
よくこうやって皆でくっ付いて眠っていた。本当は他人であるはずの皆でくっ付いて。だから、私は大人になった今でも誰とでも一緒に眠れてしまったり、色々と悪い癖を抱えている。
「あったかいね、真子ちゃん」
隣の温もりをぎゅっと抱き締めたくなる。両手を伸ばして、両腕を身体に回して……
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