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「起きろ、幸薄貧乳」
「はへ？」
突然の頭上からの声に私の口から変な声が出た。
――さちうす、ひんにゅう？
「え、あ、え！？」
自分の状況を見て再度変な声が出た。何故か私は、隣で眠っていたはずの霧島禅を自分から抱き締めて眠っていたのだ。昨夜と違って彼は私に触れてさえいないのに、これではまるで私が一方的に彼に縋っているみたいである。
「いえ、あの、これは不可抗力というか……」
何故、こんな男相手に自分は言い訳などを口にしているのだろう、と思う。
「何でもいいから早く離れろ」
ちょっと乱暴に腕を引き剥がされて、彼は先にベッドから出て行ってしまった。
昨日の夜は自分から抱き締めてくるような素直っぷりだったのに、今度は「近寄るな」みたいな態度で凄く感じが悪い。
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