1773人が本棚に入れています
本棚に追加
突然、さっきまで俯いていたと思っていた男性に腕を掴まれ、私は車内に引きずり込まれていた。
「え? え?」
気が付けば、自分は後部座席で押し倒されていて、しかも、なんか黒い物を突き付けられているんですけど! 暗くて見え難いけど、それって、それって……!
「お前、誰に雇われた?」
暗くても冷たい瞳と視線が合致しているのが分かる。
「はいぃ?」
あなたなんですけど!
「誰に俺の暗殺を頼まれた?」
「あ、ああ……暗殺?」
「惚けるな」
静かな声と共にさらに黒い物が自分に近付いて、街灯の光でその姿が明らかになった。
「ひぃぃ!」
今までに一度も上げたことのないような声が私の口から出た。やっぱりそれ拳銃じゃないですか! というか、地味に人の胸の上に手置いてるんですけど!
「言わないなら、言わせてやる」
私が混乱して何も言えないでいると覆い被さっている彼の視線が近付いて、少しだけ獣じみた雰囲気にビクッと自分の身体が小さく跳ねた。
「ひゃっ……!」
急にシャツの下に大きな手が侵入してきて、変な声が出た。それでも、手は止まらずに私の肌を撫でながら、上に向かって進んでいく。
最初のコメントを投稿しよう!