幸の薄さを胸で判断しないでください

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だから、反論したのに、まさか 「面倒臭い」  の一言で片付けられるとは思わなかった。  彼の右手が前に回ってきて、また私の小さな胸を無言で虐め始める。その手を止めたくて、自由な両手で必死に彼の右腕を掴んだ。でも、左手に軽く首を絞められて、また頭がフワフワとしてしまう。  腕に上手く力が入らない。それどころか、足にも上手く力が入らなくて、ソファの背もたれに腰掛けている彼の右足に自らちょこんと座るような形になってしまった。 「無駄な抵抗はするな。お前の身体は俺のものだ」 「勝手に決めない……んぁ」  また耳朶を噛まれて甘い声が漏れてしまう。 ――こんな横暴な人、嫌いだ。嫌いなんだ。でも、手が優しい。私の知ってる本当の“乱暴”じゃない。 「そ、そんなとこ……っ」  胸の小さな突起を初めて触られて、なんともない、と思っていたのに、何度も抓られて、何度も掠められて、ジワジワと熱を持ち始める。痛いのだって怖いし、好きじゃないのに、彼の手によって、それが疼きに変わっていく。  彼は絶対面白がっているだけなのに、どうしてか、私の身体は彼の愛撫を本気にして触っていない腰まで動いてしまう。
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