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「え、あ、あの……」
声を出そうにも、上手く言葉にならない。
「……っ!」
脇腹を滑っていく感覚にゾクゾクしたと思ったら、もうその大きな手は私のコンプレックスである小さな胸を包んでいた。けれど、彼はそれを気にする余裕を私に与えてくれなかった。
「まさか女だとはな、ハニートラップでも仕掛けて隙でも突こうと思ったのか?」
そんなことを私の耳に吹き込みながら、その掠れた声は少しだけ楽しんでいるような感じがした。さっきは暗殺だとか、なんだとか言っていたような気がしたのに。恐怖から身体が上手く動かなくて私は黙って、首を左右に振ることしか出来ない。
「ん、ん……」
やわやわと手で胸を揉まれて、声が漏れる。でも、この感覚がなんなのか私にはよく分からない。だって、だって私……
「え、ちょ!」
私の反応が悪い所為か、胸に触れていた手が再び動き始めて、今度は下の方に滑っていく。そして、私は面倒臭がってサイズの合っていない大きめのスラックスを履いていたことを後悔した。
「ひぁ!」
スラックスの中に入り込んだ手が下着の上から私の敏感な部分に触れ、思わず身体が跳ねた。指先でするっと撫でられる程度だったけれど、自分の頭が警笛を鳴らしている。これ以上は絶対に駄目だと。
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