問題は立て続けに起こるものです

20/22
前へ
/197ページ
次へ
 ◆ ◆ ◆ 「若! 事件にでも巻き込まれたんですか!?」  二人で禅さんの部屋に戻ると、流川さんの第一声がこれだった。驚き過ぎてなのだろうか、大きな瞳がさらに大きく開かれている。 「ああ、殺人事件にな」  迷惑そうな言い方でスーツのジャケットが床に投げ捨てられた。  ――み、未遂です! お願いだから報連相するの、やめて!  心の中では色々と言いたいことがあったけれど、実際の私は「すみません」しか言えなかった。 「殺人!? 金目当ての脅迫ですか!?」 「いや、相手の狙いは貧乳だった」  ――ねぇ、言い方よ。言い方が酷いの、いちいち。 「すみません」  もう、本当にこれしか言えない。 「貧乳!?」  流川さん、そんなに過剰に反応しなくても良いじゃないですか、さすがに頭を叩きたくなります。見た目が王子様でも。 「これ以上は言えない」  残念だったな、みたいな雰囲気を出しながら言っているところ申し訳ないけれど、禅さんは禅さんで、この状況を少し楽しんでいるんでしょう? ほんと、やめてください。 「それより、流川」
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1493人が本棚に入れています
本棚に追加