2人の軌跡を辿って、

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◻︎ そうしてちゃんと、連絡先を交換して、時間が合えば授業の後にご飯を食べに行ったりするようになった。 でも、ここから先のスマートな進め方は分からない。 真嶋に言えば絶対に笑われるくらいには手探りで、 でも確実に日々、大事になっていく自覚もある。 文系の彼女とは、授業で使う講義棟も正反対と言えるほど遠いので、駅に1番近い東門で待ち合わせするのが決まりになった。 「ごめん!遅くなった…!」 俺を見つけてそう言って駆け寄ってくる姿も可愛いけど、今日は、ショートブーツのヒールに不安になって 、思わず門にもたれていた身体を離して俺も歩み寄る。 雪が積もっている時だけではなく、今日みたいに雪が少し解けてぬかるんだ道も滑りやすくて、危険を孕む。 「走らなくていいのに。」 「大丈夫、雪道は慣れてるから 歩くのも走るのも得意だよ。」 笑ってそう言う彼女は、確かにちゃんと走って 俺の元まで難なく辿り着いた。 「…、」 「どうしたの?」 「富永さんが雪に慣れてて残念だなと思って。」 「……どうして?」 「"滑るから注意して"って、手も握れない。」 「えっ!?」 そのまま2人で駅の方へと歩き出して、ぽろっと漏らした言葉は、また、無意識領域の中でのものだった。 …まずい、余計な事言った。 そう思った瞬間、驚きを多く帯びた息遣いが直ぐ隣で聞こえて、その数秒後、彼女が視界の端でぐらっと揺れた。 「…あ、ぶな、…」 「ご、ごめんなさい。」 足を滑らせて、バランスを崩したらしい。 反射的にぐ、と腕を強く引いてそのぐらつきを支えたら、彼女は俺の方にあっさりと倒れこんできて、意図せず抱きしめるかたちになってしまった。
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