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 そうそう、大学時代、狂ったようにハマっていたRPGをひとつご紹介させてください。『ヴィーナス&ブレイブス~魔女と女神と滅びの予言~』わたしはPS2でプレイしました。  主人公は、自警団を率いる不老不死の男ブラッド。彼はある日、女神から、この世界に百年後、大きな災厄が起きることを知らされます。  女神はブラッドに預言書を託しました。預言書には、百年後の災厄を回避するための道筋が綴られています。ブラッドは自分の自警団を騎士団とし、幾多の仲間を引き連れて、災厄を倒すため戦い続けます。  作中で、不老不死なのは主人公のブラッドだけです。他の仲間たちは普通の人間であり、皆時が経てば亡くなっていきます(戦死するケースもあります)。幾重にも繰り返される出会いと別れ。この切なさとやるせなさ、それでも前に進むしかないと思わせる世界観。息つく暇もなくプレイ出来ちゃいます。  さらに凄い点がもうひとつ。ブラッドは時々、自分だけが馴染みの仲間に置いていかれる寂しさを吐露するんですが、これについて、プレイヤーも物理的に共感出来るよう、ゲーム側に工夫がなされています。  具体的に申し上げますと。  ゲームの中では、災厄を回避するため、あちこちの街に現れた魔物を討伐に向かう必要があります。このとき、画面には世界地図がばんと表示され、その地図上の主人公を規定の位置まで動かすのですが……  一歩動くと一日経ちます。  つまり、三百六十五歩で一年経ちます。  早いんですよ、一年。無駄にウロウロするとすぐ経っちゃう。そしてその一年で、昨日まで元気だった仲間が突然戦えなくなったりするんです。  わたしが書いている長編も、時が流れるタイプの作品です。ですので、参考になる部分はたくさんありました。  おすすめです。
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