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 そのままだと流石に暗いので、設定はかなり弄りました。主人公は、本人の境遇を踏まえて、自己犠牲心が強いところは残しましたが、自ら死を選ぶような雰囲気は出来るだけなくしてみました。  また、長編(ⅠからⅧまで書くつもりです)としての主人公は変えませんが、最初のお話の主人公は変えました。ヒロイン役の女の子を主人公に持ってくることを考えたんです。明るめで、好奇心旺盛な彼女の方が取っ付きやすいのでは、と思ったためです。  高校生活の傍ら、執筆活動をする日々が始まりました。わたしの場合、執筆時間は主に朝です。具体的には、朝、登校準備をする一時間前に起きて書いていました。体力があった学生時代だからこそ出来た芸当ですね。今は間違いなく出来ません。  書いている間は、自分の現実と物語の世界が、脳内でよくクロスオーバーしていました(これは現在も変わりません)。頭の中で不定期にキャラクターが喋り始めたり、書きたいシーンを夢の中でアニメとして見たり。  何だか気が休まらない日が続きましたが、今思うと、このときの苦労はまだマイルドな部類でした。何せ、主人公が当時の自分とほぼ同年代の少女です。一人称作品でしたが、書くときに気張らなければいけないこともありません。肩の力を抜いて、等身大で書いて良かったんです。  この後のシリーズでは、主人公はすべて男性。本当の苦労はここからでした。
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