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そんなときに、大学からやってきたゼミの知らせ。わたしは文学部でしたので、順当に作家の研究でもしようかと思っていたのですが、とある文言を見つけて目の色が変わりました。
創作のゼミがあったんです!
迷わずそれに決めたのは、言うまでもありません。
自分の創作の話もしましょう。
わたしは一人称の方が得意だったのですが、このときはシリーズ初の三人称作品に着手していました。この辺からは本当に苦労したんです。
一番大変だったのは、暴れ馬みたいな性格をした主人公の制御。今まで書いてきた作品の主人公たちは品行方正な優等生でしたが、今回はアウトローな性格の男性です。いくら手綱を握っていても好き勝手に走っていきます。彼をどうしていいか分からず、途方に暮れることも多かったです。
それから、もうひとつ。これはわたしの書き方のせいなのですが、キャラクターの感情に入り込みすぎて、自分が体調を崩すこともよくありました。悲しいシーンを書いたあとはだいたい自分も倒れます。あと、アウトローな子はなんというか、かなりエネルギッシュなので、普通に付き合うだけでも疲れます。でも付き合わざるを得ないジレンマ。
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